しあなたやあなたのご家族が手術を受けることになったとき、少なからず誰もが不安や、恐怖を感じることと思います。これから手術室に入ってから麻酔がかかるまで、麻酔から醒めて病棟へ帰るまでの様子を紹介します。わからないことが一つでも減り、少しでも安心して手術が受けられれば幸いです。
ここでは、私の勤める病院での全身麻酔で行う胸部・腹部の一般的な
術前術後の流れを説明しています。病名、術式はもちろんのこと、施
設が異なればまったくこの限りではありませんので、あしからず。

1.手術の日の朝/病棟で
手術用の着物に着替えます。全身麻酔に備えて、肩の少し下のところに筋肉注射をします。病室のベッドからストレッチャーに乗り換えて手術室に向かいます。少し口が乾いてきましたか?
2.手術室の入り口にて
病棟の看護婦と共にストレッチャーにのって手術室の入り口まで来ていただきます。体に掛かっている毛布を手術室用のシーツに取り替え、柔らかい紙でできた帽子をかぶります。髪の毛の長い方は、あらかじめゴムで結んで来てください。寒い場合は看護婦に声をかけてください。毛布を用意します。手術室のベッドに移ります。係員が手術室内までお連れします。
3.麻酔の準備
部屋にはいると、麻酔科の医師がいます。麻酔の準備を始めます。
1...血圧計を腕に巻く
2...心電図のシールを胸に3ヵ所貼る
3...点滴をいれる(病棟から点滴をしてくることもあります)
4...指先にクリップのような器械をつける
4.背中から管をいれるときの姿勢
手術後の痛みを効果的に取り除くために背中から細いチューブをあらかじめ入れる場合があります。そのときは横になり膝を抱え、背中を突き出してください。この処置をする場合は事前に麻酔科医より説明があります。処置中背中や足に響く痛みがあるときや気分が悪くなってきたときは、動かずに、口で教えてください。
5.麻酔が始まります
酸素マスクをつけます。酸素が流れていますので深呼吸をしましょう。マスクが目にあたるなど、痛いときはおっしゃってください。麻酔科医の合図だんだん眠くなってきます。麻酔がかかってから気管チューブを入れます。そのあとお小水の管を入れさせていただきますので、手術が終わったとき違和感があるかもしれません。
さあ手術が始まります。
6.麻酔からさめる時
手術が終わり、麻酔から醒めたことを次の点で確認します。
1...深呼吸ができる
2...目を開けることができる
3...手をぎゅっと握ることができる
4...足の指先を動かすことができる
麻酔科医や看護婦が声をかけますのでその通り行なってください。麻酔から醒め、きちんと呼吸ができることを確認できたら気管のチューブを抜きます。
7.回復室で休みます
麻酔から醒めたら、手術室内にある回復室で15〜20分休みます。麻酔から醒めたとはいえ、体の中には麻酔薬が残っています。まだ眠たいかとは思いますがなるべく深呼吸をして、麻酔薬を早く出すようにしましょう。回復室でも麻酔科医と看護婦がそばにいますので、気分が悪いなどありましたらおっしゃってください。
8.病棟へ帰ります
病棟の看護婦が迎えに来ましたら、ストレッチャーにのって病室へ帰ります。どうぞお大事に。


home home